「5750分」これは何の数字でしょうか?日数に直すと約4日間のこの数字…実は中学校3年間の美術の時間(1時限50分×時限数115)です。週に1時間(50分)の美術…。とても楽しみにしていた人、息抜きの時間にしていた人、退屈で仕方なかった人も、あなたが学校で受けた「美術の時間」のことを思い出してください。
美術はどんな授業でしたか?色の勉強をしたり、友人や郷土の風景を描いたり、粘土で陶器をつくったり…
美術をどんな先生に習いましたか?
変な先生?手先が器用な先生?やけに熱っぽい先生?
美術に、どんな学びがありましたか?
今夏で2回目となる「5750分展」は、埼玉県越谷市にあるアートスペース「KAPL(コシガヤアートポイント・ラボ)」と埼玉県立近代美術館で行われます。現役美術教員やアーティストがアトリエに入り浸り「5750分」を使い作品を公開制作したり、来場した方と美術教育について語り合ったり、美術教育インタビューを街頭で行ったりすることで「美術教育」を皆で感じ、多角的に考える機会を生み出すものです。是非、お気軽にご参加いただき、共に「美術教育」について考えてみませんか?(S.A)
事前申し込みは不要です。お気軽にお立ち寄りください。
この企画に関するご質問などはコチラ
→連絡先:dejivu04@yahoo.co.jp/090-9318-7780(浅見)
このコーナーは毎回ゲストをお迎えして、アートについて一緒に語り合っていきます。第1回目のゲストは、10月9日にKAWAGUCHIART FACTORY と川口市立アートギャラリーATLIAで行うアートイベント「夜会」の企画・出演者である、ダンサーの藤井香さんとパフォーマンス・アーティストの野本翔平さんに来て頂きました。
スズキ:今回、藤井さんから野本さんに共同制作で行うダンス&パフォーマンスのイベント「夜会」をやろうと声をかけたそうですが、どんなきっかけですか?
藤井:これまでのSMFで私たちダンスユニット「転々」は、風車のインスタレーションから受けたものをダンスで表現するということをやってきました。今年もまた次のステップに進んでいけるような新しいことに挑戦してみたいと思っていたところで、去年のシンポジウムの時に会場に展示されていた私達のこれまでの記録写真の中で、野本さんが一番気に入っていると言ってくれたものが、実は私達にとって一番挑戦して作った作品だった、という事があったんです。分かりづらいし、一般受けしない面もあるけれど、私たちにとっては「これは傑作だね」っていうものだったんです。ダンスとパフォーマンス、表現の分野は違っても、「野本さんと通ずるところがあるのかも」と感じて一緒にやれたら楽しいなって思ったんですよね。自分がチャレンジしたいと思うことと野本さんのやりたいことは似ているのかもしれないと。制作する視点が違う人と一緒に関わって、自分にない世界を開きたいと思ったのが、野本さんと仕事をしたいと思ったきっかけですね。
野本:藤井さんから話を貰った時すごく嬉しかったです。なかなかこういう共同創作の機会はなくて。良くも悪くもパフォーマンスは独自性の強い表現分野です。ただ自分が「やりたい」というそのことに意義を見い出します。絵や彫刻、舞台などに比べてその雰囲気が強く、表現者自身が自由になれる反面、見た目には非常にエゴイスティックなものでもあります。僕は、パフォーマンスを初めて5年になりますが、ふつふつとした自分の心の中を表現したいという感情は、1年ほどでなくなってしまいました。そこでパフォーマンスをやめるという選択肢もあったと思いますが、自分は表現との関わりを続けていきたいと思ったんです。そうなった時に、自分にだけでなく身の周りに目を向けてやっていこうと思い、そしたら自分の表現の場はすべてであると感じはじめ、広がったというか、これからもやっていくべきことはあるなと思いました。大多数の中の一人であるという感覚を研ぎ澄ましていくというような意識で制作しています。
藤井:ダンスとパフォーマンスの作り方って決定的に違うんですよ。先ほど野本さんがパフォーマンスは主観性の強いものだと言っていたのですが、私たちダンサーは、まずテーマがあって伝えたいことに沿って考えていくという感じで表現方法を決めていくんです。テーマもとにかくいっぱい掘り下げていくという作業が同時進行であって。私たちのその作りあげていく時の視点と、野本さんが作る時の視点が大きく違うと思うんです。
野本:今回共同で制作している川口で行う「夜会」では、藤井さんが僕の作り方に結構合わせてくれています。僕はパフォーマンスをやる時に、できるだけ何も持たずにその場に行って、そこの場所で見えるもの、感 じるもの、考えるものからその場所とすごく近い関係のある表現をやりたいなっていつも思っています。すごく対照的な2つの空間を実際に見て、各自が感じたものから全体で共有できるテーマやコンセプトを見出し、軸にしてやっていこうと話しています。
スズキ:ダンスとパフォーマンスでは制作の段階で大きな違いがあるのですね。お互い挑戦的な要素もあるようですが、お互いが成長できるような関係のお話を聞けてとても刺激を受けました。10月9日の「夜会」も 今から楽しみです。貴重なお話ありがとうございました。(M.S)
藤井香:幼少より両親のもとでモダンダンスを始め、高校生の頃に表現する楽しさに取り付かれ、現在に至る。東京創作舞踊団を経て、1998年彩のくに創作舞踊団を結成。舞踊団公演を行いながら、埼玉県舞踊協会研究部として「コレオグラファーの目」の企画運営を行う。東京新聞全国舞踊コンクール創作部門第一位文部大臣賞(1986)、ローザンヌ新人振付家コンクール・ベジャール・バレエ・ローザンヌ賞(1988)を受賞。
野本翔平:埼玉県行田市生まれ、専修大学哲学科卒。子供のときからずっと絵を描くことと体を動かすことが好きで、大学2年生の頃にその両方を同時にやりたいと思うようになり、美大生の友人を介してパフォーマンス・アートの分野へ入っていく。たくさんの人たちとの交流を経ながら、アート、美術、芸術を学ぶ。また、地域、ローカル、共同体、コミュニティ等への感心が強まり、そういった要素を含んだ活動を模索している。
おまけ:
せっかく表現者のお2人がそろっているということもあり、「夜」をテーマに自由に表現してもらうことになりました。
野本さんは藤井ダンススタジオのCDブースを使い、「ラジオ夜会」のパフォーマンスをし、藤井さんは野本さんの「ラジオ夜会」を聞きながら行う(ダンスではなく!)パフォーマンスをして頂きました。
また、この様子は野本さんのYouTubeで公開されています。ぜひチェックしてみて下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=Ky7sv8Sq7kM
SMF作文いきます♪【S】さり気に【M】無敵で【F】ファンタスティック! 次、小田さんヨロシクw(A.O.)/新入りの自分にとって、SMFは世界を大きく広げてくれる存在です。個性の集合体って感じ。(H.O.)/アート竜巻フェスタからもう2年もたったなんてー!!! 時間が経つのって、こんなに早いものでしたっけ??(H.S.)/「創刊号 出来たと万歳 2号の準備」SMFが体育会系に感じられるこの頃です。(S.A)/藤井さんのスタジオ兼自宅はすごかった! これからもいろいろな人とたくさん話すぞー!!(M.S.)
日時:8月1日(日)14:00〜16:00 場所:埼玉県立近代美術館講座室(申込不要)
アートに関するざっくばらんな井戸端かいぎ。SMFの委員がホストを務めます。アートについて普段思っていることを気軽に話しましょう。さまざまな相談もできるかも。興味深い話題や事例はホームページ等で公開します。
SMFでは各事業に協力していただくボランティアを募集しています。楽しい仲間と一緒に活動してみませんか。登録していただくと、ボランティア保険に加入し各種の情報をお送りするほか、アートボランティア講座(9月19日・11月13日・1月15日の計3回)の優先受講や交流会への参加などの特典があります。ご希望の方は、住所・氏名・連絡先電話番号・fax番号・メールアドレスを明記の上、メール:SMF.vol@artplatform.jp またはfax:048-824-0118で、SMFボランティア登録係まで。