「SMFアートラボ」はアートの実験台。本田貴侶、内野務、KAPLの諸氏によるワークショップ、作品展示、また彫刻ライヴ・ダンス・演奏などのパフォーマンス、アートマーケットなど、さまざまな素材を北浦和公園に投入して無造作にかき混ぜます。異ジャンルのアーティストたちが、ふらりと遊びに来た人たちや公園の光や木々、その場で出会った他のアーティストと化学反応を起こし、見たことのないものがぽこっと生まれてくると実験成功。
パフォーマンスを終えた方たちに、いちばん気に入った作品とのコラボ写真を提案したところ、舞踏の山下浩人さんが選んだのは、ホンダ先生の大ケヤキの切り株。それをしばし眺めていた山下さんですが、いつのまにか切り株の穴の中にすっぽり、文字通りハマッていました。ケヤキと山下さんは不思議に一体化し、原始の息吹を放っていたのでした。
たまたま各大学からの参加者が全員3年生だったので、ワークショップのテントには3年1組~4組の看板、そして若さあふれる面白い作品が並びました。中でも各テントの似顔絵コーナーが大人気。それも北浦和公園ならではのお客さま、お散歩ワンちゃんたちが似顔絵ならぬ「似犬絵」のはしごをしてました。5頭連れてこられた方は全コーナー制覇とか。
参加アーティストとSMFスタッフ全員集合による初のフィナーレ!なのに一人だけ、「やだ」と最後まで抵抗していたウチノ先生。仕方なくワークショップ広場から噴水前に連行。「しつこいな」とぶつぶつ言いながらも駆け足で登場した時には、いつの間にかスタッフの方たちと「トンギコ・ワークショップ」の大きな看板を持っちゃっていました。ずるい! 映画より、ずっとずっとラブリーな生ウチノ先生でした。(S.Y.)
クリスマスムードで賑わうまちに、鎮座まします人型干し芋。その名は《IMONINGEN》!“イモらしいよ”と書かれた赤いバッジが誇らしげです。
2011年12月、北浦和の西口銀座商店街を舞台にした《回遊美術館Ⅱ》は、アーティスト・商店会・美術館がタッグを組んで行ったプログラムです。会合を重ね、山本耕一郎さんの《北浦和出逢い景プロジェクト》が会期に先がけて進行していきました。11月半ばから北浦和に寝泊まりして制作活動を始めた山本さん、色々な“うわさ”が書かれた“うわさバッジ”を屋台で運び、バッジを身につけた人を写真に撮って展示していきました。商店街に溢れるたくさんの方々の笑顔。交わす挨拶も増えていきます。お風呂屋さんに空き店舗を借りてプログラムの実施本部にしたところ、お隣の八百屋さん一家が、毎日バッジをつけに来てくださるようになり、ここを拠点に、参加アーティストそれぞれ、まちとの交流を深めていきました。
そんなある日登場したのが《IMONINGEN》です。本部の壁一面で戯れる、三友周太さんの《HIMONINGEN》へのオマージュでした。作者の八百屋さんは叱られやしないかとちょっと心配だったそうですが、思わぬ贈りものと遊び心にアーティストとスタッフ一同、大喜びしたのは言うまでもありません。アルバイトの大学生が専用の箱とバッジをつくって進呈し、プログラムから生まれたアートとまちとの関係の、ひとつのシンボルになりました。「いつもこんな調子で冗談ばかり。八百屋もいいけど吉本に入れば?なんてお客さんに言われちゃうのよ。」
照れ笑いするおかみさんのエプロンには“この職業向いてないらしいよ”のバッジがありました。
まちで交わされる小さなやりとりの積み重ねがプログラムを大きく支えていたと思います。「こういう催しは楽しくていいね。ワクワクするよ。」お肉屋さんやラーメン屋さんから頂いた言葉の通り、アートがまちの元気を引き出せたなら嬉しい限りです。美術館と商店街とで顔なじみが増え、次の展開を探っているところ。これからも互いに行き来し回遊しながら、縁をつないでいきたいと思います。(A.O.)
音楽おそるべし(H.T.)
2012年、どんな展開になるのでしょう…( H.O.)
今回のアートラボでのいろんな出会いが、いろんな拡がりを見せてくれますように。(S.Y.)
【S】擦った【M】揉んだで【F】踏ん張る毎日。2012年はいい風吹くかな?(A.O.)