爽やかな5月19日、今年度SMF主催事業第一弾「入間・飯能新緑アート散歩」実施。8名参加。市外からアート散歩の達人たちを迎える側としては、新芽のそろった茶畑を吹く風、まもなく改築されるヴォーリズ設計の武蔵豊岡教会など、できるかぎりの素材をそろえるだけ。あとは達人たちが、我々地元民の見過ごしている面白いものを次々発見してくれる。
この日は、西洋館の一般公開日であるとともに、引っ越し前の武蔵豊岡教会で最後の礼拝が行われ、運よくヴォーリズ作曲の讃美歌も聴くことができた。
入間市博物館アリットでは、達人の一人、杉並区立科学館の茨木孝雄さんが、常設展示の輸出シルクラベルに流星のデザインを発見。翌日には他の資料もいろいろ調べてフェイスブックで紹介してくださった。
《伊東孝志展》訪問に、このフェイスブック(以下FB)が果たした役割は大きい。伊東さんのことは、カレー工場を改築された時から気になっていたが、二年前、伊東さんが小川町の人たちを巻き込んだ《小川町現代美術散策》を見に行き、初めてお話しして、その強靭さと繊細さに圧倒されて、以後近寄り難い人になっていた。そのうち、SMFの仲間たちがそれぞれ伊東さんとつながっていたことがFB上で判明、今回、肩の力を抜いて一緒に訪問することができた。この個展開催にいたるまで、伊東さんは2ヶ月以上、近くの民宿や画廊に泊まり込んで制作し続けており、その様子を随時FBに投稿していたのだ。私たちの期待が日々大きくなっていったのは言うまでもない。この日、webでつながっていた人たちが、その現場に集った時の不思議な親近感と興奮。そこに、ここまで画廊を自由に改築させた太っ腹のオーナーの魅力が加わる。
アート散歩は、ものを見て感じるだけではなく、そのものと関わっている人々、そして一緒に歩く人たちの間でどんな化学反応が起きるか、常にスリリングで魅力は尽きない。(S・Y)