SMF Press 号外(2013.1.24)表面

我輩は、きたうらワンである

きたうらワン吾輩は犬である。名前は、「きたうらワン」。特技は絵を描くこと…らしいが、まだ見たものはおらぬ。意外と礼儀正しいらしく、さいたま市の浦和区、北浦和西口銀座商店街に出没している…らしい。
らしい、らしい、とその実態があいまいな吾輩が、2012年中秋の某日、突如出現したのである。目的は「きたうらワンと探そうまちのステキ」というワークショップを行うためらしい。ワークショップとやらは一体何を売っておるのか皆目見当もつかぬが、絵を描くことを得意とする吾輩にとって、まちのステキを探すことは朝飯前である。何々、ワークショップとは自ら体験して学ぶ新しいアートの方法であるとな? 今回は、まちのステキをデジタルのキャメラで写真におさめてくることが目的であるとか? なるほど、よくわからんが面白そうではないか。集まってきたのは近所に住む子どもらである。彼奴らは説明もそこそこに、吾輩を小脇に抱え、片手にデジタルのキャメラを握り、まちへ出て行きおった。

月見屋のおばちゃん
▲月見屋のおばちゃん

ハロウィーン姿の2人子どもらは、臆することなくまち行く者に声をかけ、まちのステキを探していると告げてゆく、大した度胸である。まちの者も意外と親切に応えてくれるではないか。何々、吾輩のことを知っておるだと? いつの間にか有名になったものだ。何々?可愛いとおっしゃる!?
照れるではないか。せっかくですから一緒に写真に写りませんか?パシャリ。なんだか楽しくなって来たぞ、もっともっとまちのステキを探さねば。
おーっ!向こうから奇妙な面構えの二人組が近づいてくるぞ。子どもらよ危ないぞ、早く逃げねば!おやおや?慌てる吾輩を横目に子どもらは逃げるそぶりも見せない。なんと本日は夕刻から〝はろーうぃん〞なる催しがこの商店街で行われるとな。皆奇妙な扮装をしてまちを練り歩くそうな、なるほどよく見れば悪い奴ではなさそうな、よし!せっかくだから奴らとも一緒に写真を撮ってしまえ。パシャリ。うーん、ますます楽しくなってきた。

きたうらワンその後も吾輩は、みかんの山に埋められたり、いろんな動物らと記念写真を撮ったり、そして服屋の衣文かけになったりと八面六臂の大活躍であったわ。はっはっはー。

最後は、皆が撮ってきた写真の鑑賞会である。今撮影したモノがもう観ることが出来るとは、恐れ入った。むむむ!皆なかなか良い着眼点を持っておる。なおかつ独創的だ。これはでは吾輩もうかうかしておれぬ。早速デジタルキャメラなるものを入手せねば。おっと、その前にもっとモノを見極める眼力を身に付けるべきか。いやはや、誠に悩ましいところである。
とりあえず、今日のところは、先のワークショップの報告がまとまったことで好としようか。はてさて又皆と遊びたくなって来た。それではいつの日か必ずや逢おうぞ、さらばじゃ!(S.I)

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