去る11月18日、SMFの常連アーティスト、松本秋則さんが北浦和にやってきました。子どもカメラマンの撮影会でデビューした「きたうらワン」、お次は種々多彩な《竹のサウンドオブジェ》を生み出す不思議美術家とのコラボレートです。竹筒と段ボールを組み合わせた笛を作り、演奏しながらまちをパレードするワークショップに、見学者を含む7チーム計16名の親子が参加しました。講師の松本さんの指導のもと、抜群のチームワークで楽器を組み立て思い思いに装飾。「きたうらワン」のぬいぐるみを抱っこしたり楽器に括り付けたりして、美術館から商店街へ、賑やかに行進していきました。
段ボール笛の制作ワークショップは過去にも一度実施しています(※詳しくは2010年SMF記録集p16-17「体感する美術」をご覧ください)。が、今回は館外でのパフォーマンスを盛り込んでリニューアル。商店街ではまちの人のあたたかな笑顔に迎えられ、大通りを渡って公園に入ればそこに憩う人々の注目を集め、最後は美術館のエントランスで大合奏。みんなの「ヤッター!!」の気持ちがファンファーレとなって、秋の澄んだ青空に高く鳴り響いたのでした。参加者一同、創作の成果を作品の出来栄えだけでなく、他者との交流から実感できたことは、前回からの大きなステップアップではないでしょうか。
加えて、SMFと北浦和西口銀座商店街との連携アートプログラムは今年で4年目。第1回目から参加を続けている松本さんもお店の方とすっかり顔馴染みになり、酒屋さんのご主人からワークショップ参加者に向けて、松本さんや「きたうらワン」に関するクイズを出題する場面もありました。昨年の《回遊美術館Ⅱ》をもとに誕生した「きたうらワン」ですが、これを通じて大学、商店街、美術館の3者の縁も深まり、子どもたちにも親しまれながら徐々に認知が広がりつつあるところ。まちのコミュニケーションツールとして、これからも多くの方々とともに成長させていきたいと思います。(A・O)
今回、愉快な段ボール笛の作り方を教えてくださった松本秋則さんは、ワークショップの冒頭で、たくさんのオリジナルの竹楽器を紹介してくださいました。手に持ったり足を使ったり、水を使ったり…どの楽器も奇想天外で、予想外の音を奏でます。音に合わせて松本さんのカラダが動き、面白いパフォーマンスになっていきました。参加者も楽器に触れさせてもらい音を様々に鳴らしました。
素材に触れ、音を発見し、創造し戯れる…そうして作られた楽器を鳴らしていると、私たちのカラダの中に眠っている感性や原始のリズムが呼び起こされるようです。
段ボール笛は、段ボールを押すと中の竹筒から空気がでて音がします。鳴らし方によって音は、グワッグワッグワーッグワーッと色々変化します。参加者が作品に施した装飾は、音をイメージした色やキャラクター、カエルやブタなど様々で、素敵なものが出来上がりました。子どもも大人も一緒になって楽しく演奏していました。そんな様子をみていたスタッフAも、ワークショップ参加者に紛れて段ボール笛づくりに参加!
商店街にパレードするということで、昨年に生まれた商店街のキャラクター「きたうらワン」のぬいぐるみをメインに装飾して、パレードに参加しました。
その後、商店街の横内酒店さんへ行き、きたうらワン段ボール笛をしばらく展示していただくことになりました。お店に立ち寄った時にはぜひ、鳴らしてみてくださいね!(E・A)