アート竜巻フェスタ@iruma

2008年9月21日

風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)風車(入間)

◆私の住む入間市はじめ西埼玉には県の文化事業の恩恵がないと長年不満に思っておりましたので、今回の企画会議では「待ってました」と県内巡回型フェスタを提案しました。広々とした芝生のある入間市博物館での現代アートの取り組みも夢でしたし、前館長(故柳澤康夫氏)が北浦和にお住まいだったことから実行委員会の話を持ち掛け、県内公立美術館のリンクに入間市博物館も加えていただくことになりました。開催時期は、博物館隣の東野高校の文化祭に合わせました。来場者は高校の通学バスを利用できる上に、《フェスタ》と高校のユニークな建物と文化祭が一度に楽しめるという算段です。8月に〈風車〉の根岸さん・〈創作ダンス〉の藤井さんたち・〈バスカメラ〉の三友さんに現場を見てもらい、みなさんが素敵なアイデアをふくらませてくださる様子にわくわくしました。

巡回型イベントを展開するには、各地域の個性を打ち出していくことも必要です。入間のオリジナリティは茶畑、のんびり、そして何より行政と市民の連携がうまくいっていること。まずは、《フェスタ》を博物館事業として実質を伴う共催にしてもらい、団体・学校への協力依頼や告知は博物館の通常のルートをフル活用。入間市民が初めて目にする我々の「実行委員会」名だけの依頼状では、市民団体も博物館以外の行政機関も学校も短期間にこのようには動かなかったでしょう。例年、博物館で開催される「キッズアートギャラリー」の運営委員さんと事務局である中央公民館の職員さんたちは家族も総動員して、〈バスカメラ〉の装飾ワークショップを開催してくれただけでなく、《フェスタ》当日も朝から集まってバスの装飾の仕上げ作業と「逆さ茶畑を見る」ツァーを楽しんでくれました。

バスカメラ(入間)バスカメラ(入間)バスカメラ(入間)バスカメラ(入間)バスカメラ(入間)バスカメラ(入間)バスカメラ(入間)バスカメラ(入間)バスカメラ(入間)バスカメラ(入間)バスカメラ(入間)バスカメラ(入間)バスカメラ(入間)バスカメラ(入間)バスカメラ(入間)

《フェスタ》当日の正午、参加者全員の顔合わせと紹介も兼ねて10分ほどのオープニングセレモニーを行い、市長、教育長、教育委員や県議市議にも来ていただきました。博物館でアート事業を開催することの意義、そしてアートが世代を超えたまちづくりの手法としてたいへん効果的であるということを見てもらいたかったのです。「毎年やってほしい」という感想をたくさんいただきました。
 うれしかったのは中学生の参加でした。いつも面白い展示をしている入間市立金子中学校美術部へ〈風車〉設営に参加しませんかと説明に行き、目をきらきらさせて話を聞いてくれる中学生に手ごたえを感じました。当日は朝7時半に11名が中学校集合、自転車を連ねて博物館に来てくれたのです。雨に濡れながらの作業も楽しかったそうです。そして、彼らは5日後の運動会のゲートを自分たちで作った100個の風車で飾ったのでした。「生徒たちはアートフェスに参加して自信を持ったようです」と顧問の先生からお便りをいただきました。

博物館の緑の芝生を風のように横切る〈大田楽〉を夢見ていたのですが、これは雨天で実現せず、館内ロビーでの演舞となりました。高崎や伊東からも応援に来てくれた踊り手たちを至近距離で見ていただけたことをよしとしましょう。

大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)大田楽(入間)

一方、〈ダンス〉は風車の中での演技を決行し、ずぶ濡れで踊るダンサーの迫力に、この踊りは二度と見られないと入間市写真連盟の方たちがシャッターを切っていました。

創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)創作ダンス(入間)

(株)フジパンからの300個のパン提供、東野高校からの模擬店の食券提供、博物館ボランティアの方々の手によるお持ち帰り風車のおみやげなど、入間らしいほのぼのフェスタとなりました。

(山尾聖子/本プロジェクト運営委員)

◆入間会場では、地域のアート活動グループ「キッズアート」との連携が、市内の子供達・メインスタッフ・アーティストの協力で実現し、全員で〈バスカメラ〉の窓を飾るパネル用の絵を制作しました。作品は感光紙に直に自分の体を映したり、紙で切り抜いた動物・雲・花、ビー玉やおはじき、半透明のビニール等を配置して感光紙に定着したりしました。入間の子供達の躍動感あふれる、いきいきとした絵のパネルが完成しました。日頃、アーティストと直に触れあう機会が少ないことや、地域のアート活動グループだけでは協力スタッフの不足もあり、ダイナミックなアート活動が企画しにくい面があります。このような状況を踏まえ、今回の取り組みは各地のアート団体との緩やかな連携方法として良い前例となったように思います。

(小原恵利子/「ART FANS」代表・本プロジェクト運営委員)

◆当館は愛称「ALIT(アリツト)」(Art・Archives / Library / Information / Tea) にもあるように、美術館的機能も兼ね備えた博物館ですが開館以来、美術館的活動にはあまり取り組んではいませんでした。今回の《フェスタ》の開催は、入間市博物館にとっては今まで弱かった現代的な美術館的役割を、少しですが果たすことができる機会となりました。当日の来場者からも今までにないイベントで、おもしろかったとの声を聞くことができました。事業全体を見ると、天候不順を差し引いても、おおむね成功したといえるのではないかと思います。しかし、課題を挙げるとすれば、もう少し準備の期間がほしかったと思います。時間があれば、さらに市民を巻き込むことができたのではないでしょうか。〈バスカメラ〉の事前ワークショップを行なったように、地域連携の方法についても、まだ工夫の余地がありました。「ミュージアムタウン構想」という主旨からしても、もっと地域を巻き込む必要性があったと今になって反省しています。ただし、今回の事業で多少なりとも「LINK」ができました。今後は、今回の実施地区を中心にしつつ、さらに範囲を広げて「継続」していくことが大事だと思います。その時にはどこの地区でも、できるだけ時間をかけて地域の人たちを巻き込むことが重要だという点を、事業を実施して強く感じました。

(浅見泰志/入間市博物館ALIT)